LanMan Client with NetWare ODI Driver -- NetWare ODIドライバでLanManクライアント
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 うちのFM TOWNSはDSLINKカードという富士通純製ネットワークカードを使っているのですが、DSLINKカード用のNDISドライバが入手できないので、Microsoft LAN Manager(以下、LanManと記述)クライアントとして使うことができません。
 このためWindows NT ServerにはFPNW(File and Print service for NetWare)を組み込んで、Windows NT ServerをNetWare互換のファイル/プリントサーバーとしても使っています。
 LanManクライアントよりも、NetWareクライアントのほうがコンベンショナルメモリの消費が少ないので、NetWareクライアントを使うメリットは十分にあります。しかし、LanManクライアントとして使いたい場面もあります。 特にWindows 95/NTマシンに接続されている資源を利用したいときにはLanManクライアントを使いたくなります。Windows 95は [NetWareネットワーク共有サービス] を組み込んでおくことでNetWareサーバーとして資源を共有させることができますが、この資源にアクセスしたいマシンにはNetWareクライアントを組み込んでおく必要があります。ネットワークに接続されているすべてのマシンをNetWareで統一してしまえばそれでもいいのですが、Windows NT WorkstationはNetWareサーバーとしては機能しないのでNetWareで統一することも無理です。資源の共有はLanManで統一できればベストなのですが、DSLINKカードを使っているFM TOWNSだけが、LanManクライアントになれません。
 NDISドライバのないFM TOWNSとDSLINKカードでもLanManクライアントとして使いたいと色々とやっていると、なんとか成功したのでその方法を紹介します。
 DSLINKカードにはNDISトライバがないので、その代わりにNetWareクライアントで使われているODIドライバを使います。したがって、LanManクライアントのモジュール以外にもNetWareクライアントのモジュールも必要となります。
 NetWareクライアントに収録されているモジュールで必要なものは次の3つです。
  • LSL.COM
  • FMRLAN.COM
  • ODINSUP.COM
 ODINSUP.COMは場合によってはパッチを当てる必要があります。

LanManクライアントのインストール

 まずはLanManクライアントをインストールします。
 LanManのセットアップディスクからLMSETUPを実行します。LanManの基本版か拡張版かの選択は、拡張版を選択します。
 ネットワークドライバを選択する場面では、『Ungermann-Bass AccessPC FMR』を選択してください。選択したドライバは実際には使いません。後で設定ファイルを手動で変更してODIドライバを使うようにします。
 ワークステーションの設定は、各自がネットワーク環境に合わせて行ってください。
 プロトコルはNetBEUITCP/IPのどらちかを選択してください。まずはNetBEUIを選択した場合を例に説明します。TCP/IPを使う場合は、後の説明を見てください。


 この記事の最後に補足・注意事項を記してあるので見てください。


 うちのFM TOWNS ( laura) ではこの設定を施したクライアント環境でWindows 95、Windows NT 3.51/4.0、Linux & Samba 1.9.18p2をサーバーにした共有ドライブにアクセスできました。安定性は未知数ですが、今のところ大きなトラブルはありません。


プロトコルにNetBEUIを使用する場合

 LanManのプロトコルにNetBEUIを使う場合は次のようにします。


(1) CONFIG.SYSの編集

 CONFIG.SYSLanMan関連部分は次のように変更します。

*** CONFIG.SYS ***
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\DOSUTILS\BIOSEMU.DOS /M:FMR
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\DOSUTILS\PRT.DOS
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\PROTMAN\PROTMAN.DOS /i:E:\LANMAN.DOS
REM DEVICE = E:\LANMAN.DOS\drivers\ethernet\ubneajp\ubnea.dos
REM DEVICE = E:\LANMAN.DOS\drivers\ethernet\ubneajp\ubtimer.fmr

 NDISドライバは必要ないので、REMでコメントアウトするか、削除してください。


(2) AUTOEXEC.BATの編集

 AUTOEXEC.BATLanMan関連部分は次のように変更します。

*** AUTOEXEC.BAT ***
lsl
fmrlan
odinsup

@REM ==== LANMAN 2.1 === DO NOT MODIFY BETWEEN THESE LINES === LANMAN 2.1 ====
SET PATH=E:\LANMAN.DOS\NETPROG;%PATH%
NET START WORKSTATION
LOAD NETBEUI
NET LOGON username *
@REM ==== LANMAN 2.1 === DO NOT MODIFY BETWEEN THESE LINES === LANMAN 2.1 ====
『NET START WORKSTATION』は、MSCDEX.EXEよりも先に実行してください。


(3) NET.CFGの作成/編集

 NetWareクライアント用の各モジュール、LSL.COMFMRLAN.COMODINSUP.COMは適当なディレクトリに格納して、AUTOEXEC.BAT中から実行できるように準備してください。
 また、NetWareクライアント用モジュールを格納しているディレクトリにNET.CFGという設定ファイルを作成してください。
 NET.CFGの内容は以下のようにします。

*** NET.CFG ***
Link support
    max stacks 8
    buffers 10 1518

Link driver FMRLAN
    FRAME ETHERNET_802.2
    FRAME ETHERNET_II
    FRAME ETHERNET_SNAP
    PROTOCOL SMB F0 ETHERNET_802.2

Protocol odinsup
    BIND FMRLAN
    BUFFERED



(4) PROTOCOL.INIの編集

 最後にLanManの設定ファイルPROTOCOL.INIを次のように編集します。

*** PROTOCOL.INI ***
[PROTMAN]
  DRIVERNAME = PROTMAN$
  DYNAMIC = YES
  PRIORITY = NETBEUI

[NETBEUI_XIF]
  Drivername = netbeui$
  SESSIONS = 6>
  NCBS = 12
  BINDINGS = "fmrlan"
  LANABASE = 0
[APCFMR_NIF]等の他のセクションは必要ないのでコメントアウトするか削除してください。



プロトコルにTCP/IPを使用する場合

 LanManのプロトコルにTCP/IPを使う場合は次のようにします。


(1) CONFIG.SYSの編集

 CONFIG.SYSLanMan関連部分は次のように変更します。

*** CONFIG.SYS ***
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\DOSUTILS\BIOSEMU.DOS /M:FMR
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\DOSUTILS\PRT.DOS
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\PROTMAN\PROTMAN.DOS /i:E:\LANMAN.DOS
REM DEVICE = E:\LANMAN.DOS\drivers\ethernet\ubneajp\ubnea.dos
REM DEVICE = E:\LANMAN.DOS\drivers\ethernet\ubneajp\ubtimer.fmr
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\PROTOCOL\tcpip\tcpdrv.dos /i:E:\LANMAN.DOS
DEVICE = E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\PROTOCOL\tcpip\nemm.dos

 NDISドライバは必要ないので、REMでコメントアウトするか、削除してください。


(2) AUTOEXEC.BATの編集

 AUTOEXEC.BATLanMan関連部分は次のように変更します。

*** AUTOEXEC.BAT ***
lsl
fmrlan
odinsup

@REM ==== LANMAN 2.1 === DO NOT MODIFY BETWEEN THESE LINES === LANMAN 2.1 ====
SET PATH=E:\LANMAN.DOS\NETPROG;%PATH%
E:\LANMAN.DOS\DRIVERS\PROTOCOL\tcpip\umb.com
NET START WORKSTATION
LOAD TCPIP
NET LOGON username *
@REM ==== LANMAN 2.1 === DO NOT MODIFY BETWEEN THESE LINES === LANMAN 2.1 ====
『NET START WORKSTATION』は、MSCDEX.EXEよりも先に実行してください。


(3) NET.CFGの作成/編集

 NetWareクライアント用の各モジュール、LSL.COMFMRLAN.COMODINSUP.COMは適当なディレクトリに格納して、AUTOEXEC.BAT中から実行できるように準備してください。
 また、NetWareクライアント用モジュールを格納しているディレクトリにNET.CFGという設定ファイルを作成してください。
 NET.CFGの内容は以下のようにします。

*** NET.CFG ***
Link support
    max stacks 8
    buffers 10 1518

Link driver FMRLAN
    FRAME ETHERNET_802.2
    FRAME ETHERNET_II
    FRAME ETHERNET_SNAP
    PROTOCOL IP  0800 ETHERNET_II
    PROTOCOL ARP 0806 ETHERNET_II

Protocol odinsup
    BIND FMRLAN
    BUFFERED



(4) PROTOCOL.INIの編集

 最後にLanManの設定ファイルPROTOCOL.INIを次のように編集します。

*** PROTOCOL.INI ***
[PROTMAN]
  DRIVERNAME = PROTMAN$
  DYNAMIC = YES
  PRIORITY = TCPIP

[TCPIP_XIF]
  DRIVERNAME  = TCPIP$
  DISABLEDHCP = 1
  IPADDRESS0  = XXX XXX XXX XXX     →IPアドレス等は各自設定してください
  SUBNETMASK0 = XXX XXX XXX XXX
  DEFAULTGATEWAY0 = XXX XXX XXX XXX
  NBSESSIONS = 6
    ; the following two parameters added after documentation was completed
  TCPSEGMENTSIZE  = 1450
  TCPWINDOWSIZE   = 1450
  LOAD            = tcptsr[c],tinyrfc[c],emsbfr[cr]
  UNLOAD          = "unloadt /notsr[dc]"
  BINDINGS = "FMRLAN"
  NETFILES = E:\LANMAN.DOS\ETC
  LANABASE = 0
[APCFMR_NIF]等の他のセクションは必要ないのでコメントアウトするか削除してください。



ODINSUP.COMのパッチ

 ODINSUP.COMを組み込むときに次のエラーが発生する場合は、DSLINKカードのIRQ設定を変更するか、ODINSUP.COMにパッチを当ててください。


FATAL: First FMRLAN MLID does not conform to latest ODI MLID specification
       or is not Interrupt driven as required by NDIS Protocol Stacks.
       Call adapter manufacturer and request a newer MLID that conforms
       to the required specifications.

 僕がパッチを当てたODINSUP.COMのタイムスタンプと大きさは以下の通りです。

    タイムスタンプ: 96-01-10   13:47
    大きさ: 34,380 バイト
ODINSUP.COMのタイムスタンプとサイズが異なる場合は、パッチは保証できません。

 このODINSUP.COMの次の4ヶ所を変更してください。

    オフセット 元の値   変更後
    8116 74 90
    8117 0B 90
    811D 75 90
    811E 12 90
    ※ オフセット、値はすべて16進数です。


補足・注意事項

 プロトコルにNetBEUITCP/IPの両方を使いたい場合は両者の設定を行ってください。
 コンベンショナルメモリが少ないとログオンスクリプトがメモリ不足で実行できないことがあります。AUTOEXEC.BATの中でログオンを行う場合、他のプログラムを組み込む前にログオンすればメモリ不足を回避できることがあります。

 必要なファイルの入手方法やパッチについて筆者は保証も関知もしませんので、この記事についてのご質問はご遠慮ください。

1998.03.18 追記

 NIFTY ServeのFTOWNSフォーラムでの報告によって、DSLINKカードのIRQを10番に設定しておくとパッチを当てなくともODINSUP.COMが組み込めることが確認されています。
 DSLINKカードがデフォルトで使用するIRQは4番ですが、MIDIカードも同じIRQ 4番を使うため、両方のカードを使う場合にはDSLINKカードのIRQを変更しなければなりません。
 何らかの理由でIRQが変更できないときは、この記事で紹介したパッチODINSUP.COMに当ててください。

【参考資料】

○Microsoft FTP site -- LanMan Client

ftp://ftp.microsoft.com/bussys/Clients/LANMAN/

○Novell

http://www.novell.com/

 Minimum Patch List

http://support.novell.com/misc/patlst.htm

○Novell (japan)

http://www.novell.co.jp/

 Minimum Patch List

http://support-j.novell.co.jp/misc/patlst.htm

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